天然石に対する人為的処理:漂白、着色(染色)

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AGLの処理の定義では、漂白と着色(染色含む)はそれぞれ独立した処理として分類されていますが、ここではまとめて紹介することにします。

※この記事は以下の記事の内容の一部を構成するものとなっています。

天然石に対する人為的処理の種類と鑑別書での表記

漂白と着色(染色を含む)

漂白は、化学薬品を用いて石の色を淡くしたり除去したりする処理を指します。
染色などの他の処理と組み合わせて行われることもあるようです。漂白のみが行われている場合、鑑別することはほぼ不可能とされていますが、漂白後に染色や含侵がされている場合、それらの処理については判別可能です。

着色は多孔質の石(代表的なものはメノウ類)に対して、化学的な手段等によって無機質顔料を沈着させる処理のことを指し、染色は有機質染料を用いる処理のことを指すとされています。
着色と染色で定義が少し異なりますが、専門家以外の人間にとっては、どちらも石本来のものとは別の色を付ける処理という理解をしておけばいいでしょう。
染色は内部から表面に達しているヒビがある石に対しても行うことができるので、クォーツやエメラルドなどに染色が行われていることもあります。

着色(染色)処理された石は、アセトンやアルコールに触れると染料が溶け出す可能性があるので注意が必要です。また、日光により退色しやすいので、日光に長時間さらされない場所に保管するようにしましょう。

鑑別書での開示コメント

漂白や着色が行われている場合、鑑別書には処理の内容に応じて「脱色処理が行われています。」や「色素による着色処理が行われています。」などの文言が記載されます。

漂白、着色(染色)が石の市場価値に与える影響

漂白や着色(染色)が行われた石は、宝石としての価値はほぼないと考えた方がいいです。
安価なパワーストーン系の石にはこのタイプの石が多い印象です(情報開示がされていないことが多いので、その点は業界としての今後の課題でしょう)。
これらの処理が行われた石は通常手ごろな値段で手に入れることができるので、そういうものと割り切って色や形を楽しむのが良いかと思います。

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