だまされた?!鑑別書あるある(実体験)

石が本物かどうかを確かめたり、石に対して行われている人為的処理を明らかにするために、「鑑別」という手段があることをこれまでに紹介してきました。
その中で、鑑別は信頼できる鑑別機関に依頼することが重要だと繰り返し述べてきましたが、それには理由があります。
今回は、鑑別機関をきちんと選ばないとどんなトラブルが起こりうるかを、鑑別書あるあるとして実体験をもとにご紹介します。

実際に経験したケース

石の購入をする際には、求める要件(天然であること、特定の種類の石であること、など)を満たしているかどうかを確認することが重要です。
その判断の根拠となるのが鑑別書ですが、鑑別機関によって、鑑別結果に関して多少の見解の相違が生じる場合があり、時には大きなトラブルにつながることがあります。

以下では、筆者が実際に経験したケースをご紹介します。
鑑別機関によって鑑別結果の信頼性が異なることや見解が異なり得ることを知らずに購入してしまい、後で気づいてがっかりしたというケースもあれば、購入時点でそうした見解の相違を把握したうえであえて購入したというようなケースもあります。
何にせよ、このブログを見てくれている方々も、購入時に似たようなケースに遭遇することがきっとあると思われるので、皆さんにとってより良い選択をするための参考になればとうれしく思います。

鑑別機関による見解の相違:石の起源の判断

専門の鑑別機関でも判断ミスをすることがありますよ、という実例です。

当該オレンジサファイアのリングの写真鑑別書に関連したトラブル(実体験)その1

鑑別機関による見解の相違:非加熱・加熱の判断

ルビーやサファイアに加熱処理がされているかどうかの判断には、高度な分析装置が必要です。
鑑別機関によっては、こうした分析装置を備えていないところもあるので注意が必要だ、という実例です。

サファイアの写真鑑別書に関連したトラブル(実体験)その2

鑑別機関による見解の相違:色に関する判断

ルビーならピジョンブラッド、サファイアならロイヤルブルーやパパラチャ(ピンク~オレンジの中間色)など、特定の色合いのものに対して特定の呼称が付く(=一般に、評価がより高くなる)場合があります。
鑑別機関によっては、単に色相(赤、青、・・・)を表記するだけではなく、そうした特定の色合いに該当するかどうかを判定してくれる場合がありますが、判定基準は鑑別機関によって異なるので、同じ石に対して異なる判定がされることもあります。
また、特定の色合いであると判断された石が、されなかった石よりも美しいとは限りません。

ここでは、ルビーとパパラチャサファイアについて、筆者の経験に基づく実例を示します。

当該ルビーのリングの写真鑑別書に関連して起こりうるトラブル(実体験)その3 ピンクオレンジのサファイアの写真鑑別書に関連して起こりうるトラブル(実体験)その4

その他:鑑別の時点で人為的処理の有無の判別ができない場合

場合によっては、購入(または鑑別を依頼した)時点では人為的処理の有無が判別できない場合があり、後になってから処理されていることが判明することがありますよ、という話です。

プラシオライトとして販売されていたグリーン・クォーツ(照射処理)の写真鑑別の時点では人為的処理の有無が判別できなかった例:グリーン・クォーツ

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