天然石に対する人為的処理：ワックス

ジェイダイト（ひすい）については、ワックス加工の痕跡が見られない場合向けに「ワックス加工の痕跡は認められません。」というコメントも用意されているようですが、これまでにこの記載がされている鑑別書に遭遇した経験はありません。

一般にワックス加工がされている石の中でも最も高価な種類の石と言えばジェイダイト（ひすい）でしょう。ひすいを購入する際、ワックス加工については気にする必要はありませんが、樹脂含浸がされている場合は価値が大幅に下がるので注意が必要です。樹脂含浸がされた石については、処理の有無について尋ねられなければ自分からは何も言わないというスタンスで販売するお店もあります。樹脂含浸がされた石は、通常は販売価格がそれほど高くない場合が多いですが、価値のあるものがお買い得な価格で売られているというわけではないことは知っておくべきです。高額なひすいを購入する場合、鑑別書での樹脂含浸処理の有無の確認が必須です。

処理の有無とは話が変わりますが、伝統的に「ひすい」と呼ばれてきた石にはジェイダイト（硬玉ともいう）とネフライト（軟玉）という2つの種類の石があります。このうち、宝石として評価されているのはジェイダイトの方です。日本国内ではネフライトをジェイダイトと偽って販売するようなことはあまりないイメージですが、海外でひすいを購入する場合、ネフライトとジェイダイトが混在して売られている場合もあるので、樹脂含浸の有無に加えて石の種類についても気を付けておく必要があります。いずれも、鑑別書（信頼できる鑑別機関が発行したものであることが重要です）を取れば確認することができます。