天然石に対する人為的処理の種類と鑑別書での表記

以前の記事で、天然石には人為的処理がされている場合があること、また、専門機関に鑑別を依頼すればどのような処理がされているかを知ることができることを紹介しました。
今回の記事では、石に対する人為的処理の種類と、それが鑑別書でどのように記載されるのかを見ていきましょう。

天然石に対する人為的処理の種類

一般社団法人宝石鑑別団体協議会（AGL）は、色や外観を変化させるための何らかの人為的処理（研磨を除く）が行われている天然石の鑑別に際しては、行われた処理を知りうる範囲内で鑑別書に明記するというルールを定めています。
鑑別書で明記される天然石に行われる処理（AGL定義）には、以下のようなものがあります。

天然石に行われている処理

加熱
含浸
ワックス
放射線照射
拡散（化学処理）
漂白
着色（染色を含む）
充填
コーティング
レーザードリリング
高温高圧（HPHT）プロセス
その他（上記以外）

※AGL『宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法』（2020年12月改訂版）より

このように様々な処理が存在するわけですが、処理の有無が石の価値に与える影響は、処理の内容・程度によっても大きく異なってきます。
以下では、各処理の概要を紹介すると同時に、それが石（主に宝石の部類）の評価（市場価値）に与える影響について、ペットくんの経験を踏まえて私見を述べてみます。
（市場価値には様々な要因が関わっており、処理の有無だけで判断できるものではありません。あくまで要因の一つとして捉えてください。処理の有無以外の要因のことはまた別の機会に紹介したいと思います。）

なお、項目がたくさんありすぎて、すべてを一度に紹介するとものすごく長くなってしまうので、項目ごとに記事を作成し、このページではその記事へのリンクをまとめるという形を取ることにします。